●●● 5/16六本木サテンドール・ライブレポート ●●●
・・・分厚いサウンド、美しいメロディーライン、ソリのフレーズが自由に駆け巡る。稲垣のタイコが進路とバンドのグルーブを作り出す。ピックアップメンバーによるコンボ演奏のおまけつき。ああ今日来といてよかったなあ。しみじみ、ジャズの楽しさを、稲垣バンドのすばらしさを実感した一夜でした。
1曲目はNorwegian Wood ご存知ビートルズの名曲。三塚さんの快調なTbソロ、演奏したのは僕だとジョークを飛ばすフレッド、竹野さんのSaxソロが続く。エンディングに続くTbのメロディーをSaxのバッキングがしっかりサポート。ゴキゲンなスタートです。 2曲目は定番中の定番Groovin’ Hard。ノリの良いシャッフルビートです。ソロ前のバンプのところ、稲垣の軽快かつゆとりを感じさせるフィルインが曲の展開をまさにリード。そこに割って入る佐藤さんのテナーソロ。総立ちの5人衆が絶妙のハーモニーでSaxソリを吹きます。音の厚みが気持ちよい。キャッチーな熱い音です。
次はデュークエリントンナンバーのCotton Tail。Tp佐久間さんのゴキゲンSwingです。曲の起承転結を作る稲垣のフィルインがまた超カッコイイのです。庵原さんのソロを経てフィナーレに続くアンサンブルがこれまた聴きものです。ほんと、稲垣の選曲いいっすねえ。 4曲目はうってかわってのスローなメロートーン・ナンバー。Pretty Girl。モチロン、フィーチャリングは澤田さんです。しっとりと暖かく包み込むような音のカーテンです。ささやくように続くフィナーレまでの音のつながりがとてもきれいでした。前回のライブに同行した友人が「これはあたしのためのテーマ」宣言をしていました。ウン納得するしかない。
ここで稲垣トーク。馬を使った華麗なオペラ・パフォーマンス?最近見てきた「ジンガロ」の話です。いいものを見た聴いた感動した稲垣の話は説得力があります。受けを気にせず熱く語るところがいい。
5曲目はGoodbye Yesterday。短い曲ですが、僕は井上さんのキレイなピアノの音と、稲垣のシュアーで熱いグルーブ感が印象に残りました。 お次はこれもよくかかる(おっとレコードじゃあない)Cole Porterの名曲 Love for Sale。稲垣のタイコがまさに牽引車です。メンバーのテンションをひとつにまとめ上げ、方向決めてたたき出す。すごかったです。お客さんの大歓声、バンドを華麗に引っ張ったドラムへの賛辞です。
7曲目は稲垣が大好きな(ほとんどの曲が実はそうですが)、Basically Blues。バディ・リッチ バンドの有名なナンバーです。エンディングに向けて転調しながら、管楽器とタイコがシンクロし、ズンズンと上昇していくところが見せ場、聴かせ場だと思います。
8曲目はこれまたYIバンド極めつけのナンバーに定着した感のあるTime Check。庵原さんのソロと、稲垣のタイコのバトルです。と同時に二人のコラボレーションです。ドライブ・オン・グルーブというキャッチフレーズがググッと浮かびました。強烈な緊張感と集中力が要求されるナンバーだと思います。井上さんのピアノソロもすごい。自由な旋律が駆け巡る。なのに、スキがない。ただ者ではないぞ感に満ちた演奏です。そしてエンディングの稲垣のソロ。背筋が震えました。彼の横2mで聴いてたからその感動は倍増です。スバラシイの一言でした。
これでファーストはおしまいのはずでしたが、おまけまでいただいてしまいました。澤田さんのAlfieです。 もうけたなあ。来てよかったなあとしみじみ思った1stステージでした。 このあと、休憩の後、久々のコンボ演奏です。Ds稲垣、B安東、P井上のリズム隊にTp佐久間、Ts佐藤のPick Upメンバー。演奏曲はロックビート・ナンバー、ハービー・ハンコックの名曲Cantaloupe Islandでした。思わず体が動く。止められない。セカンドは聴くことに専念してたので曲目記録していません。ごめんなさい。
次回は7月27日Somedayです。ぜひぜひ聴きに来てください。あー、ジャズってほんとにいいですね。